失敗しない!リゾットの作り方のコツを専門家が解説

なとりすの【タキ】です!

イタリア料理の定番「リゾット」。
材料、作り方ともにとてもシンプルですが、酸味の効いたトマトベースのものや濃厚なクリームベース、はたまたイカ墨リゾットや和風アレンジまで実に幅広でバリエーション豊かな料理です。
日本にも似た料理がありますよね。お粥や雑炊、おじやとの最大の違いは生米を炊かずに炒めてお米の芯を残すアルデンテにすることです。
つまり、本格的なリゾットにはアルデンテは欠かせないのです。
そう言われると絶妙な具合のアルデンテはレストランでしか食べられないと思ってしまいますよね。しかしアルデンテはコツさえマスターしてしまえば案外簡単に作れます。
そこで今回は、失敗しない本格的なリゾットのレシピとともにアルデンテに仕上げるコツをご紹介します。

徹底解説! アルデンテに仕上げる本格「チーズリゾット」のレシピ

<材料> 2人分
・米                 1合(150g)
・オリーブオイル           大さじ2
・ブイヨン              3カップ ※顆粒ブイヨンを湯に溶かしたもの
・ローリエ(あれば)         2枚
・白ワイン              大さじ1
・バター               20g
・パルミジャーノ・レッジャーノチーズ 大さじ2
・塩・粗びき黒こしょう        少々

<作り方>

1.米をオリーブオイルで炒め、同時にブイヨンを温める 鍋にオリーブオイル、生米を入れて中火にかけ、米全体に油が回るように木べらでやさしく混ぜながら5分ほど炒めます。
同時に別の鍋でブイヨンを中火で温めておきます。(後に重要になります。)
白ワインと、あればローリエを加えるとブイヨンの香りがグンとよくなります。

※アルデンテにするコツを解説①「お米を洗わず油で炒める」
お米を洗うと水分を吸います。
その水分がリゾットにしたとき粘りとなります。
軽く油を敷いたフライパンでお米を洗わず弱火で炒めることで、一粒一粒がコーティングされてお米が水分を吸いにくくなります。
特に日本のお米は水分が多いのでこの工程によって水分のコントロールを行うのが肝心です。

2.お玉2杯分のブイヨンを入れて、米を炊き始める
米が油を吸って熱くなり、表面が均等に白っぽくなったら熱々のブイヨンを注ぎます。
注いだ途端にブイヨンが沸き上がり、湯気が立ち上がります。

※アルデンテにするコツを解説②「熱々のスープを加える」
本格的なアルデンテに仕上げるには別で沸騰直前まで熱したものを入れましょう。
お米の温度が下がるとデンプン質が溶け出し粘りが出ます。
したがって温度を下げないよう熱々のスープを加えます。
工程1でのブイヨンの加熱がここで活きてきます。

3.ブイヨンをつぎ足しながら、20分炊く
米がブイヨンを吸って、表面にカニ穴のような穴が開いてきたら、その都度、お玉半量の熱々のブイヨンを足しながら、弱火で20分炊きます。

※アルデンテにするコツを解説③「スープは少しずつ加える」
一気に注ぐとお米同士がぶつかり合い、粒が割れたり、デンプン質が溶け出す要因となります。
木べらで軽く混ぜたときに鍋底が見えたらスープを少しずつ入れるようにしましょう。
スープを加えるときは「熱々」と「少しずつ」が鉄則です。

※アルデンテにするコツを解説④「木べらで混ぜすぎない」
混ぜすぎるとお米が割れてデンプン質が溶け出します。
焦げ付かないよう時々鍋底をすくう程度でOKです。

4.米がふくらみ、粒が立って、艶々してきたら、味見をする
20分炊いたら、一度、味見をしてみてください。
本場のリゾットは米に微かに芯が残る程度がベストな炊き上がりとされています。
これが噂のアルデンテでございます。

5.火を止め、バターとパルミジャーノ・レッジャーノチーズを加えて余熱で溶かし、塩で味を調えてこしょうをふる
米をアルデンテに仕上げたら、その後は余分な熱を与えたくないのですぐに火を止めて。
バターとチーズは余熱で溶けるので、手早く木べらで混ぜ、塩で味を調えたら完成。
器に盛り、粗びき黒こしょうをふります。

出来上がりを眺めてみると、しっとりと濡れているのに、粒が立っていて、米に張りがあるのがわかります。
スプーンですくって口にしてみると、口の中でパラリと米がほぐれる感覚。
まるでおじやとは違う食感で、かめばかむほどに美味しい! これぞ、まさにプロの味。

Foodie「【シェフ直伝】本格リゾットのレシピ。
生米をアルデンテに仕上げるテクニック」より引用https://mi-journey.jp/foodie/52916/

リゾットは素材も作り方もシンプルだからこそポイントさえ掴めば誰でも簡単に本格的なリゾットが作れるのです。

【補足】

「リゾットに向いているお米とは?」
いざリゾットをお家で作った時、お米がべちゃっとしてアルデンテも無い。
リゾットづくりで失敗してしまう要因として、水加減や味付けだけでなく「お米の品種」もあるようです。
日本のお米は比較的粒が小さくもっちりとしています。
普通に炊いて食べるのにはふっくら、もっちりでおいしいのですが、リゾットにするとべちゃっとしやすいのです。 リゾットに向いているお米の条件は、

①煮崩れしにくい
②お米の立ちがよく大粒
③粘り気が少ない

が挙げられます。おすすめの品種をご紹介します。

【カルナローリ米】

イタリアで栽培されているお米です。
価格は輸入米や低収量ということもあり、かなり高めの「1000~2000円/kg」です。

【和みリゾット】

和みリゾットは、「カルナローリ」を品種改良する形で生まれた「国内初のリゾット専用品種」です。
2016年に品種登録されたばかりの比較的新しい品種です。
価格は「500円/kg」。 そ
の他にも日本のお米でリゾットに向いている品種は「大地のほし」「そらゆき」「ななつぼし」「里山のつぶ」「天のつぶ」などです。

【まとめ】

リゾットに適したお米は煮崩れしにくく、大粒で、粘り気の少ない特徴の品種を選ぶとよいです。日本のお米は比較的粒が小さくもっちりとしていますが、上記で上げたような割と粘り気が少なく大粒で、サラリとした食感のお米を選ぶと上手に仕上がります。

いかがでしたか?今回ご紹介したレシピは非常にシンプルなものになっています。
ここからアレンジとしてトマトベースにしたり、濃厚なクリームリゾットにしても良し。
コツさえつかんでしまえば失敗してお粥みたいなリゾットになるなんてことはありません。
それもお家で作れます。忙しい朝にも本格的なアルデンテ感のあるリゾットが味わえます。
リゾットライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、余裕があるかたはお米の品種もこだわって見ると面白いかもしれません!