リゾットに合うおすすめのキノコ〜栄養価についても解説〜<後半>

前半では、キノコの栄養素とスーパーなどで手に入れやすいキノコの特徴やポイントについて解説しました。低カロリーでヘルシーなだけでなく、健康にも美容にもよい栄養素がたっぷりつまっているスーパーフードであるキノコ。まだ前半を読まれていない方は、こちらから。
リゾットに合うおすすめのキノコ〜栄養価についても解説〜<後半>

後半では、リゾットにキノコを使うポイントや、栄養素をしっかり吸収するためのポイントなどを解説します。キノコのポテンシャルを最大限活かすのに、リゾットは最適ですよ。

リゾットにキノコを使う時のポイント

キノコは旨味が多いので、野菜のスープ(ブイヨンなどで作ったものも含む)がなくても、お湯だけでも美味しくできます。また、旨味や香りの強い食材は塩分が少なくても物足りなさを感じにくいので、調味料も少なくてすみます。塩分を気にしている方や健康に気を遣っている方にも、ぜひ使っていただきたい食品です。

種類にもよりますが、キノコは油を吸いやすいので、全体を手早く炒めるのがポイントです。リゾットを煮ているフライパンとは別のフライパンで炒めて、リゾットを煮ているフライパンに入れるとよいです。そして、キノコを炒めたフライパンにお湯を入れて、旨味と香りをリゾットのフライパンに加えるようにしてください。

やらない方がよいこと

■細かく刻みすぎない方がよい
食べる前に細かくしすぎたり、ミキサーでペーストなどにしてしまうと、食物繊維が壊されてしまい、整腸作用が薄れてしまいます。きのこは包丁で切るのではなく、なるべく大き目に手で割いてから調理をするのがお勧めです。

■洗わない方がよい
栄養素であるビタミンB郡、カリウムが水溶性のため、洗うとビタミンや風味が損なわれてしまいます。ペーパータオルなどで軽く拭くだけで大丈夫。下ごしらえが簡単なのも利点ですね。

冷凍すると、更に栄養素アップ!?

意外かもしれませんが、冷凍するとキノコの栄養素を更に引き出すことができるんです。冷凍することで、キノコの細胞が破壊され、中の酵素の活動が活発になります。グアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸といったアミノ酸が生の状態の3倍も増えます。この3つのアミノ酸類は旨味成分でもあり、味も良くなります。

えのきやしめじ、エリンギなどは食感が変わってしまうというデメリットはありますが、代謝効果がアップしますし、美肌効果も増します。えのきやしめじ、エリンギなどはコリコリッとした食感が美味しさの1つだと思うので悩ましいですが…。軽く水洗いをして、しっかり水気をとり、密封できる容器やジッパー袋に入れて冷凍庫へ。冷凍で1ヶ月ぐらいもつので、時短にもなりますね。

一度冷凍を試してみて、やっぱり食感が大事と思えば、冷凍ではなく生のまま使えばいいと思います。お伝えしてきた通り、そのままでも栄養たっぷりですからね。

世界三大美女の楊貴妃も食べていた?

古代ローマでは神々の食べ物として、古代エジプトでは王族しか食べることを許されていなかったと言われています。中国では秦の始皇帝も不老の薬として大切にしていたそうです。また、世界三大美女の楊貴妃は若さと美しさを保つために、白キクラゲを食べていたそうです。日本では4000年以上前、縄文時代から好んで食べられていたと言われています。

まとめ

いかがでしたか?キノコは低カロリーでヘルシーなだけでなく、健康にも美容にも効果的な栄養素がたっぷり。さらにお財布にも優しいときたら、言うことないですね。いろいろな調理方法がありますが、水に溶けやすい栄養素もあるので、溶け出した栄養素も全て身体に取り入れることができるリゾットは理想的だと言えます。ぜひリゾットにはキノコを使ってみてくださいね。

前半はこちらから↓
リゾットに合うおすすめのキノコ〜栄養価についても解説〜<前半>

リゾットに合うおすすめのキノコ〜栄養価についても解説〜<前半>

キノコは低カロリーでヘルシーというイメージがあると思いますが、リゾットの食材としてはどうなのでしょうか?和食、洋食、中華と、どんな料理にも合うキノコ、もちろんリゾットにも合います。では、たくさんあるキノコのうち、どれがリゾットに合うかというと、答えは、、、

好みです。

それを言ってしまったら話が終わってしまうのですが、スーパーで売られているような、一般的なキノコは基本何を使っても美味しくできます。だからこそ、好みになるんですね。

選ぶ理由は味、食感、扱いやすさなど、それぞれだと思いますが、人によって、ご家庭によって、よく使うキノコってあると思います。例えば、うちはしめじやエリンギ、椎茸などはよく使いますが、舞茸はほとんど使いません。逆に、舞茸は絶対に欠かさないという方もいらっしゃるでしょう。まずは普段よく使っているキノコから始めてみてはいかがでしょうか。

キノコは低カロリーでヘルシーというだけではありません。健康にも美容にもよい栄養素がたっぷりつまっているんです。本日は代表的なキノコの栄養価についてもご紹介しますので、いつも使っているキノコの良さを再発見してみるもよし、普段あまり使っていなかったキノコの良さに気づいていただくのもよし。 まず前半では、キノコの栄養素とスーパーなどで手に入れやすいキノコの特徴やポイントについて解説します。

キノコはスーパーフード!

キノコを一言で表すと、低カロリーで高栄養食品です。9割が水分で脂質はゼロに等しいため、カロリーがかなり低く、食べごたえもあって満腹感も得やすいだけでなく、健康にも美容にもよい栄養素がたっぷり。まずはキノコ類全般に含まれる栄養素について解説します。

①食物繊維 食物繊維といえば、整腸作用、便秘解消ですね。「健康状態の8割の鍵を握る」と言われる臓器は腸にあります。食物繊維には、腸内にある老廃物を絡めとって排出してくれる働きがあるだけでなく、善玉菌のエサでもあるので、善玉菌が活性化されて腸内環境が良好になるというメリットもあります。腸をよい状態に保っておくことで、健康にも美容にも効果的だといえます。

②βグルカン キノコに含まれている食物繊維の1つ。「免疫力アップといえばβグルカン」と言われるほどで、林野庁も公式に発表していますが、ウイルスに対する抵抗力が増すようです。アレルギー予防や改善効果も期待されていて、花粉症などのアレルギー症状に悩んでいる人にもお勧めです。

③ビタミンB郡

エネルギー代謝を促進します。代謝が促進されると免疫力も高まります。また、臓器をよい状態で動かしてくれるため、身体全体の機能が高まります。

・ビタミンB1

糖質(主に炭水化物)の代謝を助けてエネルギーを生み出す働きがあります。筋肉疲労時にたまる乳酸の燃焼にも関わっているので、疲労回復効果も期待できます。「疲労回復ビタミン」とも呼ばれています。

・ビタミンB2 脂質をエネルギーに変える働きがあります。細胞の新陳代謝を促す働きがあり、ターンオーバーが活性化され、美肌効果が期待できます。「美容ビタミン」とも呼ばれています。

④ビタミンD 野菜では補うことができない不足しがちなビタミンで、日本人の8割はビタミンDが不足していると言われています。ビタミンDが不足するとなぜ困るかというと、骨粗しょう症など骨に影響してくるからです。骨といえばカルシウムが思い浮かぶ方も多いと思いますが、実はカルシウムそのものは吸収率が低く、身体に吸収されにくいんです。ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートしてくれるので、非常に重要な役割を果たしています。なお、ビタミンDはオイルとの相性が良く、オイルを使って調理することで体により吸収されやすくなります。

⑤葉酸 ビタミンB12とともに赤血球を作ったり、DNAを正常に作る材料になったりします。また、葉酸は妊娠初期の胎児の成長に欠かせない栄養素です。妊娠中の方や妊娠を希望されている女性は、積極的にキノコを採るとよいようです。

⑥ナイアシン 様々な酵素の働きを補う「補酵素」として働きます。糖質や脂質、タンパク質が代謝されるのを助ける作用や、皮膚や粘膜を健康に保つ働きもあり、ナイアシンが不足すると、口内炎や皮膚炎につながると言われています。

⑦キノコキトサン キノコに特有に含まれているキノコキトサンという成分には、脂肪の吸収を抑えて体外への排出を促進したり、血糖値の上昇を抑える効果があり、ダイエットにとても効果的な栄養素とされています。

⑧オルニチン アミノ酸の一種。肝臓の機能をサポートしてくれます。シジミが二日酔いによいというのは聞いたことがあると思いますが、実はキノコにもたっぷり含まれています。アルコール代謝をする際にビタミンB1が大量に消費される関係で、飲酒後はビタミンB1がかなり減少します。お酒を飲む方のほとんどがビタミンB1不足に陥っていると言われているので、オルニチンとビタミンB1を豊富に含むキノコ類を積極的に採ることをお勧めします。

スーパーでも手に入れやすいキノコの特徴・ポイント

お伝えした栄養素はキノコ類全般にたくさん含まれていますが、ここではキノコの種類ごとに特徴やポイントを簡単にご紹介します。

■ぶなしめじ
肝臓の働きを助けてくれるオルニチンが豊富。肝機能を高めることで新陳代謝が活発になり、余分な脂肪が溜まりにくくなります。火を通しても形が崩れにくく、シャキシャキした歯ごたえの良さも残るので、扱いやすいキノコです。
■えのき
キノコキトサンが豊富。また、食物繊維も豊富なため、便秘の解消に効果が見込めます。肌荒れが気になる方は腸内環境を整えましょう。加熱すると柔らかさとぬめりが出て美味しくなりますが、歯ごたえとシャキシャキ感を残したい場合は、さっと火を加える程度にした方がよいです。
■舞茸
糖質の代謝を高めるビタミンB1が豊富。カルシウムの吸収も助けてくれます。サクサクとした食感で香りがよいのが特徴です。煮すぎると栄養分が逃げて色が黒くなってしまうので、調理の最後に加えるようにした方がよいです。
■エリンギ
キノコで採りたい栄養素がバランスよく含まれています。その中でも、ナイアシンや葉酸を多く含みます。松茸やアワビのようなコリコリとした食感が人気です。縦に切ることで、より食感を味わうことができます。
■椎茸
食物繊維が豊富でキャベツの2倍も含まれています。サクサクとした食感で香りがよいのが特徴です。また、干し椎茸は、乾燥することで細胞が壊れ、酵素が作用して旨味が増します。ビタミンDや食物繊維も豊富に含まれます。

<干し椎茸を戻すポイント>
旨味を引き出すには、冷水でじっくり戻すのがポイント。使うことが決まっているなら、料理の準備を始めてからではなく、事前に水につけておくことをお勧めします。昼食で使うなら朝食の後片付けをした後、夕食で使うなら昼食の片付けが終わった後であれば、ついでにできるので忘れにくいと思います。ただ、急に使うことを決めたとか、急いで戻したい場合もあると思います。その場合は、ぬるま湯につけると早く戻ります。

後半は、、、

前半では、キノコは低カロリーでヘルシーなだけでなく、健康にも美容にも効果的な栄養素がたっぷりということがお分かりいただけたと思います。後半では、リゾットにキノコを使うポイントや、栄養素をしっかり吸収するためのポイントなどを解説します。栄養たっぷりのキノコのポテンシャルを最大限に活かすためにも、リゾットは最適です。ぜひ後半も引き続きお楽しみくださいね。

リゾットに合うおすすめのキノコ〜栄養価についても解説〜<後半>

フライパン1つで手軽に本格派!?リゾットレシピ3選

本来、本格的なリゾットを作るには、お鍋で野菜のスープを作ったり、別のフライパンで具材を炒めたりしますが、本日ご紹介するのは、フライパン1つでできる「ワンパンレシピ」。

手軽に作れて、洗いものも少なくなったらいいですよね。

YouTubeやサイトで見つけたレシピを参考に、フライパン1つで、また自宅にある材料だけで作ってみました。よかったら参考にしてみてくださいね。

①:野菜のリゾット

長野県長野市にある「リストランテ フローリア」小林シェフのYouTubeを参考に作りました。

もう少し水分を飛ばした方がよかったかもしれませんが、彩りはきれいじゃありませんか?

レシピの通り、野菜のスープを使った方が、より美味しくできると思いますが、今回はフライパン1つで作ることを目標にしたので、スープではなくお湯(熱湯)を使いました。それでも、野菜から旨味が出ていて、とても美味しかったです。

また、にんじんのオレンジ(赤)とキャベツと絹さやの緑が色鮮やかで、見た目だけでも体が喜んでいる感じがしました。濃い味付けが得意でない人には特にオススメです。

にんじんは大抵の家に常備されていると思いますし、緑はブロッコリーやアスパラガスとかでもいいかなと思います。彩りを考えながら、家にある材料で作ってみてはいかがでしょうか。

【レシピから変更した点】
・野菜のスープ“ブロード”を作らず、お湯(熱湯)で代用
・白ワインではなく、日本酒で代用
・(最初に炒める玉ねぎのみじん切り以外の)野菜は、にんじん、キャベツ、絹さや
 ※絹さやはぷっくりしたものをセレクトしました。
 ※野菜の指定はないので、正確には変更点ではありません。

参考動画:
【リゾット】プロが教える 野菜リゾットの作り方 Risotto(Chef Ropia料理人の世界)

②:キノコ好き必見!炒めて合わせるだけの簡単リゾット

「リストランテ アクアパッツァ」のイタリアンの巨匠 日高良実シェフのYouTubeを参考に作りました。

レシピでは、
①お米を炊くフライパン
②キノコを炒めるフライパン
を使っています。

私もそのように作ったことがありますが、今回のポイントはフライパン1つで作ること。

ということで、
まずキノコを炒めて(②を先に)、一旦お皿に取り出し、そのままのフライパンで一通りの工程を行いました。キノコの旨味が残っているので、フライパンは洗わなくてよい(洗わない方がよい)です。

また、キノコを取り出すのは盛りつけるお皿(画像のもの)にしました。フライパンに戻す時に少し汚れましたが、キッチンペーパーかティッシュペーパーでふき取ってしまえばOK。お客様に出すのであれば、別のお皿にした方がいいと思いますが、自分や家族が食べる分なら、全然問題ありません。

ちなみに、キノコを別のフライパンで炒めるメリットもあります。お米を炒めてから炊いている時間に、キノコを準備して炒めて…と並行してできるので、効率的です。その時の状況に合わせて、作り方を決めてくださいね。

【レシピから変更した点】
・(上述の通り)フライパン1つで作りました。
・キノコは常備している椎茸、しめじ、エリンギを使いました。
(フンギポルチーニは、さすがに家にはないです。。。)
・白ワインではなく、日本酒で代用

参考動画:
【シェフのパスタ料理】キノコ好き必見!炒めて合わせるだけの簡単リゾットをご紹介します
(日高良実のACQUAPAZZAチャンネル)

③:野菜ジュースのリゾット

伊藤園さんの「1日分の野菜リゾット」を使ったレシピが紹介されていますので、ぜひこの通りに作ってみてください。

1日分の野菜リゾット(伊藤園)

実は、「この通りに」と言ったのには訳がありまして・・・

トマトリゾットを作ろうと思いネット検索していたら、このレシピを発見。ちょうど家に野菜ジュースがあったので、それを使って作ることにしました。

見た目は普通かもしれませんが、食べた時に違和感が・・・。

なんだか、すごくフルーティー・・・。 後から気づいたのですが、私が使ったのはこちら。

「1日分の野菜」ではなく、「充実野菜」でした。どちらでもいいようにも思えますが、恐らくけっこう違うのではないかなと思います。(まだ「1日分の野菜」では作っていないので想像ですが)

ホームページで「充実野菜」の商品特長を見ると、

「果汁原料の使用量を見直して果汁感を高め、りんごの風味が豊かで飲みやすい味わいに仕上げました。」

と記載があります。まさに、作ったリゾットはりんご風味のフルーティーな味わいでした。

すみません、伊藤園さん。。。 「充実野菜」はジュースとしていただきます。

まとめ

いかがでしたか?失敗談もありましたが、フライパン1つでできる「ワンパンレシピ」をご紹介しました。

レシピ通りに野菜のスープなどを使った方がより本格的で美味しいと思いますが、工夫次第で“本格派”にすることはできます。具材で野菜をたっぷり使うことで、野菜そのものの美味しさを引き出すこともできますし、キノコはしっかり味がつくので、失敗しにくいと思います。

また、味付けの段階でも、盛り付けた後にかけるのでも、黒胡椒が味の決め手になります。もし家に黒胡椒がないのであれば、購入してもいいかもしれませんね。